本書の巻末には、年表が掲載されています。

本編の史実部分だけを抽出、時系列に並べ、同時間軸上に世界の動きを記しています。発売当初、この年表がとても好評だったと、本書のあとがきにもあります。実際これを追っていくだけで、世界の音楽史の流れが分かる、とても有意義な資料になっています。

例えば、1923年に24歳で自分の劇団を作ったフリオ・デカロが、27年にはブラジルでの初公演、31年にはヨーロッパ公演とタンゴは世界に広がっていきます。

当時のヨーロッパでは、キューバ・ポピュラー音楽も流行。

一方その頃、アメリカではペニー・グッドマン楽団などによりスイング・ジャズが大流行、またガーシュイン曲のミュージカル「ポギーとベス」が初演されます。

そして電気録音が本格化、レコードの音質が桁違いに良くなってきたのもこの頃。

しかし同時に、世界は大恐慌期。甘い音楽が癒しとして受け入れられていたのか、この時代だからそういう音楽が作られたのか。

世界を俯瞰してみると面白そうです。

 

余談ですが、この年表がテキスト化にはちょっと強敵です。楽曲の原題にラテン語特有の「o」の上に「’」のついたやつとか入力大変。

というわけで、CAMPFIREのご協力も引き続きよろしくお願い致します。
http://camp-fire.jp/projects/view/337

Categories: 内容紹介

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