また本書の紹介に戻ります。
第5章ではタンゴ界の中心人物となる名手たちを紹介しています。

厳格なイタリア人音楽家一家に6人兄弟で生まれたフリオ・デカロ。クラシック音楽家にしたい父に反発し、タンゴに魅せられて16歳で家出、エドゥアルド・アローラスの楽団に。父親には勘当されるが、正規の音楽教育を受けていたフリオ・デカロは、タンゴにあらゆるバイオリンのテクニックを活用。

フリオ・デカロ(をリーダーとした)6重奏団によって、20年代後半にタンゴの新しい表現法が生まれた。それは新しいと同時に、今までになくブエノスアイレス的な、この街の風景と人間をはっきりと反映した音楽であった。
(中略)

この楽団とともに、新しいタンゴの時代がはじまる。

実際の音を聞くとそのアレンジの質の高さに驚く。まさに当時のポピュラー音楽の最先端だったのだろう。

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