引き続き第4章、歌のタンゴ華やかな時代を飾った女性歌手たち。
ロシータ・キロガは、タンゴ発祥の地でありイタリア移民の港に近い街、ボカ地区の生まれ。
可愛い唱法だったが、レコードの売れるアーチストになってからは、下町ことばの魅力でファンをひろげた。
<中略>
タンゴの暗い根を、時に教えてくれる人だった。ブエノスアイレスなまりというより、彼女の個人的なクセである、サシスセソがシャシュショときこえる発音と、つぶやくような語りをもって、キロガは時にはガルデルよりヤクザっぽく、おそろしかった。たとえば、ジャズのファンにいうならば、マイサニがベッシー・スミスなら、キロガはビリー・ホリデーだった。
歌手活動は約10年と短かったらしい。かなりの空白を開けて少し復帰したが、その後幸せな結婚生活を送ったという。
動画はその復帰の頃のインタビュー映像でしょうか。ギターの弾き語り、堂々とした佇まいがいい。
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