本書の紹介。第6章のお話。

1925年、《ナシオナル・オデオン》レーベル主催の初のタンゴ・コンクールにおいて、フランシスコ・カナロ作曲の『ガウチョの嘆き』が第1位となります。もっとも大衆の支持の高いタンゴ音楽家としての地位を決定的にしたフランシスコ・カナロは、パリにに大きな活動の場を求めます。

この新聞記事が『パリのカナロ』(スカルピーノ=カルダレーラ合作)というタンゴ曲にされるほど、大きな事件だったようです。

ところで、出演の前に大きな問題がもちあがった。カナロ楽団はフランスの音楽家組合に入っていないし、また入れてくれない。だから楽団として活動することは許されないのである。これには困ってしまったが、誰が考え出した抜け道か、アトラクションとして、つまりショーのグループとして出演するのならいいだろうというのである。

そして楽団を見世物化するために、全員がエキゾチックなガウチョの仮装をしたり、詩の朗読をしたりしました。これらが、とにかく目と耳をひきつける効果的な方法として大いに受け、タンゴの世界的な大進出がはじまります。

下の動画は『パリのカナロ』。

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